
建設業許可・電気工事業届出との関係を行政書士が解説
電気工事業を営む方や、これから建設業許可の取得を検討している事業者様から、以下のような質問をよくいただきます。
「電気工事施工管理技士と電気工事士って何が違うの?」
「電気主任技術者も必要なんですか?」
これらの資格は名前が似ているため混同されがちですが、役割も、関係する法律も、必要になる場面も全く異なります。特に、建設業許可申請や電気工事業の登録・届出では、この違いを正しく理解していないと、
- 許可が取れない
- 追加で資格者を雇う必要が出る
- 行政から指摘を受ける
といった事態になりかねません。この記事では、行政書士の立場から「電気工事施工管理技士」「電気工事士」「電気主任技術者」の違いを、建設業許可・電気工事業届出との関係にフォーカスして分かりやすく解説します。
1.3つの資格の全体像
まずは全体像を整理しましょう。
| 資格名 | 主な役割 | 建設業許可との関係 |
|---|---|---|
| 電気工事施工管理技士 | 工事の管理・監督 | 主任技術者・監理技術者 |
| 電気工事士 | 電気工事の実作業 | 専任技術者の実務要件で重要 |
| 電気主任技術者 | 電気設備の保安責任 | 建設業許可とは別制度 |
ポイントは、
- 建設業許可に直接関係するかどうか
- 工事をする資格なのか、管理する資格なのか
という点です。
2.電気工事施工管理技士とは【特定建設業許可で重要】
● 資格の役割
電気工事施工管理技士は、電気工事の現場において、
- 工程管理
- 品質管理
- 安全管理
- 原価管理
を行う、いわば電気工事の現場監督です。
● 建設業許可との関係
この資格は、電気工事業の建設業許可において配置技術者(主任技術者・監理技術者)として配置できる資格ですが、1級電気工事施工管理技士は大規模な工事を下請け業者を使って施行する特定建設業において、難関資格である技術士とともに営業所技術者(旧称:専任技術者、いわゆる「専技」)および監理技術者となれる貴重な資格です。また、一部の公共工事や元請工事では必須となるケースがあるため。電気工事を行う事業者は計画的に取得者を育成すべき資格です。
1級と2級の違い
- 1級電気工事施工管理技士
→ 大規模工事・下請代金5,000万円以上の工事にも対応 - 2級電気工事施工管理技士
→ 中小規模工事向け
3.電気工事士とは【工事を実際に行うための必須資格】
● 資格の役割
電気工事士は、
- 配線工事
- 電気設備の設置
- 結線・接続作業
といった実際の電気工事を行うための国家資格です。
● 建設業許可との関係
建設業許可(電気工事業)における営業所技術者の要件では、
- 電気工事士資格
- + 一定年数の実務経験
が認められるケースが多くあります。つまり、
- 施工管理技士がいない会社
- 実務経験のある電気工事士がいる会社
でも、条件次第で建設業許可を取得できる可能性があります。
● 第一種・第二種の違い
- 第一種電気工事士
→ 工場・ビルなど大規模設備 - 第二種電気工事士
→ 一般住宅・小規模店舗
4.電気主任技術者とは【建設業許可とは別の制度】
● 資格の役割
電気主任技術者は、高圧・特別高圧の電気設備について、
- 保安監督
- 点検
- 事故防止
を行う法的責任者です。
● 建設業許可との関係
結論から言うと、電気主任技術者は建設業許可の要件にはなりません。この資格は、
- 電気事業法
- 保安規程
といった設備保安の世界の資格であり、「工事を請け負うための資格」ではないからです。
5.電気工事業の登録・届出との関係
電気工事業を営む場合、建設業許可とは別に、「電気工事業の登録」または「みなし登録・届出」が必要になります。
● ここで重要になる資格
この制度で重視されるのは、
- 第一種電気工事士
- 第二種電気工事士
- 認定電気工事従事者
といった実作業に関する資格です。施工管理技士や電気主任技術者は、電気工事業登録の直接要件にはなりません。
6. まとめ
- 電気工事施工管理技士
→ 建設業許可・元請工事の管理面で重要 - 電気工事士
→ 実際の電気工事を行うために必須 - 電気主任技術者
→ 設備保安の責任者(建設業許可とは別)
電気工事を行う場合は、「どの資格を、どの制度で使うのか」を正しく整理することが成功のカギです。
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【ご注意】当ホームページの内容は、建設業法その他関連法令等に関する一般的な情報を提供するものであり、個別具体的な案件に対する法的判断を示すものではありません。実際の許可要否や手続きについては、管轄行政庁に確認するか、当事務所までお問い合わせください。



