【ロボット販売店・商社様向け】本体価格を含めた「500万円の壁」に注意!建設業許可の落とし穴と最短取得の秘訣

「工事代金は数百万円だから、うちは許可がいらない」と思い込んでいませんか?

実は、産業用ロボットの設置において、最も多い勘違いが「500万円の壁」の計算方法です。もし無許可で請け負っていることが発覚すれば、罰則だけでなく、元請けからの取引停止や社会的信用の失墜を招きかねません。

本記事では、工作機械商社出身の行政書士が、ロボット業界特有の「業種判断」の難しさと、スムーズに許可を取得するためのポイントを解説します。

そもそも建設業許可とは?

建設業許可は、国または都道府県知事が認める許可制度で、一定規模以上の工事を請け負う際に必要です。産業用ロボットの据付や設置工事は、「機械器具設置工事業」という業種に該当する可能性があり、請負代金が税込500万円以上であれば許可が必要となります。


機械器具設置工事業とは?

この業種は、工作物に機械器具を組立て・据付け・調整する工事で、プラント設備、コンベヤ、産業用ロボットの設置などが含まれます。単なる搬入や設置だけでなく、構造物と「一体化」させる作業も該当します。


とび・土工工事業に該当するケースも

注意すべきは、「単なる設置のみ」の場合です。例えば、ロボット本体をアンカー固定する程度で、機械器具の組立や調整を伴わない場合は、「機械器具設置工事業」ではなく「とび・土工工事業」に該当する可能性があります。
とび・土工工事業は、重量物の運搬・据付・簡易固定などを含む業種で、産業用ロボットの設置が「組立・調整を伴わない」場合はこちらに分類されることがもあります。

Success
なぜ、産業用ロボットの許可判断は「行政書士」でも間違えるのか?

産業用ロボットの設置は、建設業許可の中でも最も判断が難しい「機械器具設置工事業」に該当するというのが一般的です。しかし、現場の実態によっては「とび・土工工事業」で取得したほうが圧倒的に早く、確実に許可が下りるケースもあります。


500万円の判断基準に注意

ここで重要なのは、500万円の判断には「設置・据付・調整等の作業代金」だけでなく「ロボット本体の金額」も含まれるという点です。以下は関連する内容の国土交通省の建設業フォローアップ相談ダイヤルのQ&Aです。

一次下請には許可があり、許可を持たない二次下請に仕事の依頼を出そうと考えている。一次下請が材料を提供しようと考えており、請負費は500万円に満たないが材料費を含めると500万円を超える。このような場合、許可の無い二次下請に仕事を回すことは可能か。

材料費を含めて500万円を超えれば、許可が必要となるため、許可の無い二次下請に仕事を依頼することはできない。

(令和元年4月~6月分)

機器代金が400万円、工事代金が150万円の場合に、こちらは500万円未満の軽微な工事にあたるのか。

機器代金も含めた金額で判断するため、500万円以上の工事となり建設業の許可が必要になる。

(令和4年7月~9月分)

軽微な工事の判断について、例えば機械器具の設置で、設置工事のみ依頼する場合は、機械器具代金も含めて判断するべきか。

軽微な工事については、請負金額で判断するのではなく、材料等を提供する場合は、その費用と運搬費、消費税込みで判断する必要がある。したがって、機械器具の製品費用等を含めなくてはいけない

(令和4年1月~3月)

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【機械商社出身、行政書士のアドバイス】

Kaw社、Fan社、Yas社などの大型ロボットだけでなく、最近ではDe社製などの協働ロボットを複数台導入するケースも増えています。「ロボット代を含めると500万円を超える」案件がある、出てきそうなら、今すぐ許可取得に動くべきです。 許可があることで、大型案件のコンペにも堂々と参加でき、競合他社に差をつけることができます。

軽微な工事なら許可不要?

500万円未満の工事であれば許可不要となる「軽微な工事」に分類されます。しかし、前述の通りロボットの代金も含まれる可能性が高いことと、元請からの信用や取引条件の観点から、規模に関係なく許可取得が有利なケースが多いです。


許可取得のメリット

  • 大口案件に対応できる:ロボット導入は大規模工事になることが多く、許可なしでは対応できません。
  • 信用力アップ:建設業許可業者としての信頼性が向上し、発注元や元請からの選定で有利になります。
  • 資金調達・融資・補助金にも有利:許可取得済みであることで、設備投資をする際の金融機関や補助金審査でも有利になる傾向があります。

許可取得に必要な要件

許可の取得に必要な主な要件は以下の通りです。

1. 経営業務管理責任者

法人では常勤の役員、個人事業では本人または支配人が、建設業に関する経営経験5年以上(役員経験含む)を有している必要があります。

2. 専任技術者(営業所技術者)

営業所ごとに、以下のいずれかの要件を満たした技術者を置く必要があります:

  • 指定学科卒+実務経験(高卒後5年、大学卒後3年)
  • 実務経験10年以上
  • 国家資格保有者(技術士、1級・2級建設機械など)

3. 財産的基礎の証明

一般建設業の場合、自己資本500万円以上または同等水準の資力が必要です。

4. 欠格要件に該当しないこと

過去に建設業法違反、懲役・禁錮刑歴、暴力団関係などがないことが条件です。

5. 社会保険への加入

常勤者に対して健康保険・厚生年金・雇用保険が適切に加入されていること。

まとめ

産業用ロボットの導入や据付は、建設業法上「機械器具設置工事」に該当するケースが多いですが、単なる設置のみの場合は「とび・土工工事業」に分類される可能性があります。さらに、ロボット本体の価格も含めて500万円以上となる場合は許可が必要となる可能性が非常に高くなります。

事業拡大や信用力向上を目指すなら、早めに検討を開始し、必要に応じて専門家(行政書士)へ相談することをおすすめします。

投稿者プロフィール

古井 竜文(たつのり)
古井 竜文(たつのり)(株)MTM / MTM行政書士事務所 代表
自動車グループ系総合商社を親会社とする機械商社(建設業許可保有)でのリスク管理・法令遵守体制構築の経験を活かし、行政書士として建設業許可の手続から関連法令対応のご相談、契約書の作成・審査、経審対策まで対応しています。