
1. はじめに:なぜ工事経歴書は「地獄の作業」になるのか?
「決算が終わったと思ったら、次は事業年度終了届……。またあの工事経歴書を作るのか……」 建設会社の事務を担当されている皆さま、本当にお疲れ様です。
工事台帳、請求書、日報を突き合わせながら、膨大な工事リストを29の業種ごとに分類し、上位10件を抜き出して、配置技術者を確認して……。この作業、実は建設業事務の中で「最も時間がかかり、精神を削る作業」と言っても過言ではありません。
私は商社時代、数多くの複雑な商流や管理業務を見てきましたが、工事経歴書の作成はコツを掴まないと「無駄な残業」を増やすばかりです。今回は、事務員さんの負担を9割減らすための、明日から使える3つのコツをお伝えします。
2. 基本のキ:そもそも工事経歴書とは?(役割と重要性の再確認)
コツをお話しする前に、一つだけ大切なことをお伝えします。工事経歴書は、単に「役所に提出するだけの書類」ではありません。
実は、以下の3つの役割を持つ「会社の顔」なのです。
- 許可の維持: 正しく実績を証明できなければ、許可の更新や業種追加ができません。
- 経審(P点)の根拠: 公共工事を狙う場合、この書類の数字が点数に直結します。
- 対外的な信用: 銀行融資や元請からの評価において、どんな工事をいくらで受けているかの証明になります。
「とりあえず埋めればいい」という考えで作成すると、後で取り返しのつかないリスクを招くこともあります。
3. 実務編:事務員さんを悩ませる「業種分類」の迷いどころを解決
事務員さんから一番多くいただくご相談が、「社長から渡された発注書を見ても、どの業種に分類すればいいか分からない」というものです。特に、私の得意分野でもある「機械器具設置工事業」と、その他の工種(とび・土工、電気、管など)の境界線は非常に曖昧です。
【例:空調設備工事の場合】 多くの場合は「管工事」に該当しますが、プラント内の大規模な空調システムや、特定の機械と一体化した設備の場合は「機械器具設置」として整理すべきケースもあります。
なぜこの分類が重要なのか? それは、「実務経験の積み上げ」に直結するからです。将来、新しい業種の許可を取りたいと思ったとき、過去の工事経歴書が正しく分類されていないと、実績として認められないリスクがあります。私は商社時代、数億円規模のプラント建設から細かな部品交換まで、数千件の商流を見てきました。その経験から、単なる書類上の分類ではなく、「許可の維持・発展」を見据えた戦略的な仕分けをアドバイスしています。
4. 本題:工事経歴書作成を劇的に楽にする3つのコツ
コツ①:「締め日」に工事種別を特定してしまう
多くの方が、1年分の資料をまとめてから「えーと、これは管工事?機械器具設置?」と悩み始めます。これが一番時間がかかる原因です。
- 解決策: 請求書を発行するタイミング、あるいは受注が決まった瞬間に、管理表に「業種(管、とび土工など)」をメモする欄を1つ作ってください。
- メリット: 「記憶」が新しいうちに分類しておけば、期末に悩む時間はゼロになります。
コツ②:Excelの「コピペ地獄」を卒業する(商社流・二重入力を防ぐ魔法の管理表)
効率化の第一歩は「工事経歴書を作るための作業」を捨てることです。普段の売上管理表に、特定の項目を追加するだけで、期末の作業は「コピペ」から「ボタン一つ(フィルタリング)」に変わります。
これだけは入れておきたい管理項目(A列〜Z列の例):
- 受注日・着工日・完工日(年度またぎの把握に必須)
- 注文者区分(元請か下請か:経審の評価に直結!)
- 業種フラグ(自社の許可業種のどれに該当するかをドロップダウンで選択)
- 配置技術者名(資格の重複チェックを兼ねる)
- 工事場所(市区町村まで入れておくと、実績アピールに使いやすい)
当事務所では、ITパスポートやDX推進アドバイザーの知見を活かし、御社が今使っているExcelを「そのまま建設業許可対応」にカスタマイズするお手伝いもしています。高額な専用ソフトを導入しなくても、少しの工夫で事務員さんの残業時間は月10時間以上減らせるはずです。
コツ③:「完璧主義」を捨てて、専門家を「ツール」として使う
工事経歴書は、ただ埋めればいいわけではありません。 「これはどの業種に振るのが会社にとって得か?」という判断は、事務員さんが一人で悩む必要はありません。
専門家に「判断の基準」を聞く、あるいは「データの整理から丸投げ」することで、事務員さんはより重要な業務や、定時退社に時間を割けるようになります。
5. 応用編:経審で損をしないための「工事名の書き方」テクニック
「事務管理の『セコンド』」としてお伝えしたいのは、工事経歴書は「会社の通信簿」だということです。
例えば、工事名の書き方一つで評価が変わります。「〇〇様邸 改修工事」と書くよりも、「〇〇様邸 外壁塗装・屋根防水工事(許可業種を明示)」と書く方が、実績としての説得力が格段に上がります。
また、経審(経営事項審査)を受ける場合、完成工事高の振分けミスは、ダイレクトに「P点(点数)」のロスに繋がります。事務員さんが一生懸命作った書類で、本来取れるはずの点数を落としてしまうのは、会社にとって大きな損失です。事務員さんの「入力作業」を、会社の「評価アップ」に変換する。それが、当事務所が提供するサービスの真骨頂です。
6. 事務員さん、一人で抱え込んでいませんか?
当事務所では、単なる書類作成の代行だけではなく、「事務員さんが楽になるための仕組み作り(DX化)」を得意としています。
- 「Excel管理が限界。もっと楽な方法はないの?」
- 「社長に聞いても『適当にやっとけ』と言われて困っている」
- 「経審の点数も考えた、正しい書き方が知りたい」
そんなお悩みがあれば、ぜひ一度無料相談をご活用ください。事務員さんからの「ここだけ教えて!」というお問合せも大歓迎です。
7. まとめ
工事経歴書は「溜めてからやる」のではなく「仕組みで流す」のが正解です。 貴社のバックオフィスを、もっとスマートに。私と一緒に、現場も事務も「攻め」られる体制を作っていきましょう。
【無料プレゼント】
「自社の管理表が建設業許可に対応できているか不安……」という事務員さんのために、『そのまま使える!工事管理Excelテンプレート(簡易版)』を無料で差し上げています。 ご希望の方は、スマホで閲覧されている場合はLINEから、PCの場合はお問い合わせフォームより「エクセル希望」とご連絡ください。
投稿者プロフィール

- (株)MTM / MTM行政書士事務所 代表
- 自動車グループ系総合商社を親会社とする機械商社(建設業許可保有)でのリスク管理・法令遵守体制構築の経験を活かし、行政書士として建設業許可の手続から関連法令対応のご相談、契約書の作成・審査、経審対策まで対応しています。







