― 要件・必要書類・窓口・期間を行政書士が初めての方向けにわかりやすく解説します ―

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新規許可は「書類集め」より先に、まず“条件をクリアしているのかの"見込みをつける”のが無駄が無い動きです。
建設業許可は、集める書類が多いだけでなく、人的要件(経管・専技)や営業所要件の“説明や見せ方”で悩んだり手が止まりやすいやすい手続です。
先に「うちの会社が許可を取れる前提が揃っているか」を整理してから動くと、最短ルートで許可取得にたどり着けます。

この記事でわかること

  • 愛知県知事許可(拠点が愛知県内のみの場合)の新規申請で、最初に確認すべきこと
  • 許可取得までの標準スケジュール
  • 必要書類の集め方
  • つまずきやすいポイントと、早めに整理した方が良い理由

【30秒】新規許可の“見込み”セルフチェック(法人向け)

まず、ここだけ先にチェックしてください。が多いほど可能性が高まります。が少ないと、苦戦します。(特に自社で申請手続をする場合)

チェック項目

□ 社長や取締役は5年以上、建設業の経営に関わった経験(個人事業主時代や他社含む)がある。
□ 一定の技術レベルを持つ役員または従業員がいる(業種ごとの技能検定などの資格保有、工業高校や大学の理系学部を卒業した若手、業界経験10年以上のベテランなど)
□ 500万円以上の預金残高がある 
□ 今まで受注した工事の請求書のコピーが残っている
□ 大きな犯罪で捕まったり、営業停止処分などを受けていない

はじめに:刈谷市の建設工事の概要と特徴(申請業種判断のために)

刈谷市の建設業は、トヨタグループ関連の工場や施設の建築・改修工事が多く、建築・大工・電気・管工事などが盛んです。とび・土工工事や舗装、水道施設工事もインフラ整備に伴い需要が高く、内装仕上や塗装、防水工事など住宅・商業施設の改修も活発です。製造業の設備関連工事が地域特有の特徴です。

刈谷市では、以下のような工事業種が特に多く見られます。

  • 建築工事・大工工事:住宅や工場の新築・改修が中心。トヨタグループ関連の施設も多く、工場建設やメンテナンス工事が盛んです。
  • とび・土工工事:足場設置、掘削、基礎工事など、建設現場の準備・基盤づくりに関わる工事が多く、ほぼすべての現場で必要とされます。
  • 電気・管工事:製造業の設備関連工事が多く、電気配線や空調・給排水設備の設置が頻繁に行われています。
  • 舗装・水道施設工事:道路整備や上下水道のインフラ整備も継続的に需要があります。
  • 内装仕上・塗装・防水工事:住宅や商業施設の仕上げ工事として、リフォームや改修案件が多い傾向です。

刈谷市は製造業が盛んな地域であるため、工場関連の建築・設備工事が他地域よりも多く、機械器具設置工事や消防施設工事なども目立ちます。

いちばん最初にやるべきこと:5つの要件の“見込みをつける”

建設業許可(新規)は、次の5つを満たす必要があります。このうち 1つでも説明があいまいだったりや資料がそろっていないと、追加資料や修正で時間が伸びることがあります。

1)常勤役員等

以前は、経営業務管理責任者(いわゆる「経管」)と言われていた経営者の要件です。「役員経験がある」だけでは足りず、建設業の経営業務を適切に管理した経験の示し方がポイントです。

困りやすいポイント:役職名はあるが実態が薄い/建設業の経験年数の数え方が微妙/グループ会社・個人事業時代の経験をどう扱うか など

2)営業所技術者

以前は、専任技術者(いわゆる「専技」)と言われていた技術者の要件です。資格取得でクリアできるケースもありますが、実務経験で証明する場合は ”工事内容の整合”と“裏付け”が重要です。

困りやすいポイント:前職会社に証明証明してもらえない/請負契約を証明する書類が残っていない/工事内容の説明が弱い/経験年数の区切りが微妙 など

3)財産的基礎

会社の状況により、何をもって「基礎あり」と説明するかが変わります。

困りやすいポイント:直近決算が赤字/借入金額が多い/創業まもない など

4)営業所要件(実体)

「住所がある」だけでは足りず、常時、建設業の営業事務ができる状態が必要です。

困りやすいポイント:自宅兼事務所/賃貸の用途/看板・表札/写真の撮り方 など

5)社会保険加入状況・犯罪歴等の欠格要件

ここは “後から直す”が難しいことがあるため、早めの確認が安全です。

困りやすいポイント:加入対象の判断/過去の違反や処分歴など「個別事情」

「こりゃダメだ」と思った事業者様へ

ここまでお読みいただいた時点で要件をクリアできないことが分かった事業者様、もしそれでも建設業許可を取りたい気持ちがあるのなら「その時」に備えるため、画面を閉じずにこちらの記事を必ずご覧ください

「経験年数は問題ないのに…」建設業許可を取れなかった事業者が悔やんだ”必要書類”の管理。実務経験を無駄にしないための重要ポイントとは?

許可の“要件チェック”、実は数年前からの“事務管理”で決まっていることご存じですか? 「うちの工事、許可が必要なのは分かった。でも、今はまだ困っていないし、いざとな…

愛知県の建設業許可申請の流れとスケジュール

新規許可は「申請して終わり」ではなく、書類の訂正や追加資料の提出などが入ると遅れます(不備が多すぎると書類一式が返却されることもあります)。そのため「いつまでに許可が欲しいか」から逆算できるようにもしておきましょう。

建設業許可が必要かを確認する(0~1週間程度)

まずは、自社の工事に建設業許可が必要かどうかを確認します。たとえば、

  • 工事金額が 500万円(税込)以上 になるか
  • どの工事内容に該当するか(29業種のどれか)
  • 愛知県知事許可でよいか(県内のみの営業か)

といった点を整理します。

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この段階での確認が、その後の手続きをスムーズにするポイントです。

知事許可と大臣許可の違いについてはこちらの記事でご確認ください。

STEP
1

許可要件を満たしているかをチェック(0~1週間程度)

次に、会社(または個人)が建設業許可の要件を満たしているかを確認します。確認するのは、先ほどの説明と重複しますが以下の点です。

  • 常勤役員等(旧:経管)に該当する人がいるか
  • 営業所技術者(旧:専技)を配置できるか
  • 財産的な要件を満たしているか
  • 欠格要件に該当しないか
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「愛知県の手引きやネットで調べても、自社の場合は具体的にどうなるかがよく分からない」 というケースがとても多いです。

STEP
2

申請内容の事前確認(0~1週間程度)

愛知県では、申請内容によっては申請前に内容を整理・確認しておいたほうが良いケースがあります。特に、

  • 経験年数の数え方が微妙な場合
  • 実務経験で営業所技術者(専技)を申請する場合
  • 経歴が少し複雑な場合
  • 取得したい業種が建築一式、土木一式、機械器具設置のいずれかの場合

などは、「この内容で大丈夫か」を事前に確認しながら進めることで、修正のための申請窓口への訪問やを再申請を防ぐことができます。

Info

行政書士に依頼する場合は、こうした事前確認も含めて任せられるので効率的に申請手続きをすすめることができます。

なお、行政書士の取り扱う業務は士業の中でも特に範囲が広いので必ず建設業許可に詳しい行政書士に相談するようにしてください。建設業に詳しい行政書士の見分け方についてはこちらの記事にまとめています。

STEP
3

申請書類の作成・収集(1~2週間程度)

内容が整理できたら、申請に必要な書類を準備します。主な書類には、

  • 建設業許可申請書
  • 常勤役員(旧:経管)・営業所技術者(旧:専技)の証明資料
  • 財務関係書類(決算書、残高証明など)
  • 登記簿謄本、納税証明書

などがあります(各種公的資料の取得先については後ほど説明)。

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申請書類の記載事項については「内容」だけでなく、「書き方」も重要になります。

STEP
4

申請書の提出~建設事務所での事前確認(1~2週間程度)

書類がそろったら、愛知県の管轄窓口へ申請書を提出します。郵送でもOKですがその場合は履歴が残るレターパックライト推奨(FAXがあればFAXで受領の連絡を受けられます)。

  • 愛知県知事許可(新規・一般)の場合
  • 申請手数料:9万円 ← 提出時ではなく、内容確認後(2~3週間程度)に再度窓口行き納付(クレジットカード可)します。
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書類に不備があると窓口から連絡があり、軽微であれば訪問しての修正で対応いただけますが、不備が多かったり致命的なものだと差し戻し(再提出)になることがあります

STEP
5

本審査期間(4~7週間程度)

建設事務所での事前確認後は、愛知県の本庁での審査が行われます。

  • 標準的な審査期間は 約30~45日程度(STEP5の事前確認期間含まず)
  • 建設事務所での事前確認はされていますが内容によっては、この段階で追加資料の提出を求められる可能性がゼロではありません。
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この期間中は、まだ「許可取得前」の状態です。

STEP
6

許可通知・許可番号の付与

無事、許可が下りると申請書類一式が「主たる営業所」として申請された住所に送付されます。

Info

この送付は営業所の実在性確認も兼ねているため、行政書士に申請手続きを依頼した場合であっても行政書士宛ではなく申請事業者様宛に直接送付されます。

STEP
7

“急いでいる会社ほど、最初に要件整理を”・・・「早く進めたい=先に書類を集める」と必要ない書類まで集めてしまうなど逆効果になることも。急がば回れでまずは見込みをつけたうえで要件の精査のステップに移りましょう。

必要書類

ここでは、愛知県知事許可の新規申請で必要となる書類を 3グループに分けて説明します。(株式会社等の法人向けの説明ですが、個人事業主の方もほぼ同じようなものが必要です)

A:役所・法務局等で取得する書類

商業登記簿(履歴事項全部証明書)

最寄りの法務局で入手できます。

名古屋法務局 刈谷支局
  • 所在地:刈谷市若松町1-46-1(刈谷合同庁舎)
  • 電話番号:0566-21-0086
  • アクセス:JR東海道本線「刈谷」駅または名古屋鉄道三河線「刈谷」駅下車,徒歩約4分/ 駐車場:有

後見等登記事項証明書(登記されていないことの証明書)

名古屋法務局 本局 ※:刈谷支局では入手できません
  • 所在地:名古屋市中区三の丸2-2-1(名古屋合同庁舎第1号館)
  • 電話番号:052-952-8111(戸籍課)
  • アクセス:地下鉄名城線「名古屋城」駅下車,5番出口徒歩2分 / 駐車場:有

身元(身分)証明書

本籍地の市区町村の役所での入手となります。本籍地が刈谷市の場合は、

刈谷市役所
  • 所在地:刈谷市東陽町1丁目1番地
  • 電話番号:0566-62-1009(市民課)
  • アクセス:JR東海道本線「刈谷」駅または名古屋鉄道三河線「刈谷」駅下車,徒歩約10分/ 駐車場:有

納税証明書

最寄りの県税事務所で入手できます。

西三河県税事務所
  • 所在地:岡崎市明大寺本町1-4(西三河総合庁舎内)
  • 電話番号:0564-27-2711
  • アクセス:名古屋鉄道「東岡崎」駅下車,徒歩約8分/ 駐車場:有

公的書類は平日に役所の窓口で入手するのが基本です。(郵送対応可能なものもありますがその分、日数がかかります)行政書士へ許可申請を依頼した場合は、これらの公的書類の取得が料金に含まれているかを確認しましょう。※当事務所は原則、取得のための費用も含めてご提示しています。

B:過去の実績をもとに作成する書類

  • 直近の決算書(建設業会計のルールに変換が必要)
  • 工事経歴書(どの業種で申請するかにも影響)

これらは「転記すれOK」ではなく、建設業と兼業への数字の振り分けや工事実績についてと整合する書き方が重要です。決算書の科目変換や、工事経歴書の書き方については下記の記事をご参考ください。(許可取得後、毎年提出する「事業年度終了届」に関する記事ですが、科目変換や工事経歴書の書き方のポイントについては許可申請時も同じです。)

C:人的要件を裏付ける資料(“説明の強さ”が勝負)

  • 常勤役員(旧:経管)の在籍・役職・業務実態などを示す資料
  • 営業所技術者(旧:専技)の資格証/実務経験証明の資料
  • 常勤役員と営業所技術者の常勤性を示す資料(社会保険料の領収書等)

などです。これらは「どれを出せば足りるか」が会社ごとに違います。実態や実務経験を証明する際にはこちらの記事のような悲劇が起こることがあります。

これらの書類が準備できたら管轄の建設事務所に提出します。

建設業許可(知事許可)の申請窓口

知立建設事務所 ※刈谷市は愛知県の管轄ですが、建設業許可(拠点が愛知県内のみの知事許可)は県の事務所で申請します。

  • 所在地:知立市上重原町蔵福寺124 (知立市文化会館/パティオ池鯉鮒、知立市図書館の近くです)
  • 電話番号:0566-82-3111(総務課総務・建設業グループ)
  • アクセス:名鉄「知立駅」から徒歩約20分 / 国道23号線上重原ICより約5分 

自社で申請することは可能?

結論:可能です。ただし“止まってしまうポイント”がいくつかあります。

建設業許可の新規申請は、自社で進めることも十分可能です。ただ、初めての場合は「書類の量」に加えて、要件の説明と整合性の検証で手続きが止まりがちです。

個別の可否判断が必要な場合について

この記事では、愛知県で建設業許可(新規)を取得するための要件・書類・スケジュールの全体像を解説してきました。ただし、「自社の場合、本当に許可が取れるのか」「どこが一番ネックになりそうか」といった要件は、一般論だけでは判断できません。

そこで当事務所では、 無料で「建設業許可・新規取得 事前可否診断についてのご相談を承っています。

【内容】30分~1時間の事前web面談 (見込みがありそうな場合)→ 貴社の事務所での2時間程度の現地・現物確認

  • 許可取得の見込み・注意点の整理
  • 申請にあたりポイントなる要件(常勤役員・営業所技術者・営業所等)の確認
  • 今後やるべき対応の優先順位整理

※この診断では、営業・勧誘は一切行いません。まずは「申請ができるかどうかの確認がしたい」、という方のためのサービスです。なお、 本診断から1年以内に新規許可申請をご依頼いただいた場合は、 特典付きのプランをご用意しております。

投稿者プロフィール

古井 竜文(たつのり)
古井 竜文(たつのり)(株)MTM / MTM行政書士事務所 代表
自動車グループ系総合商社を親会社とする機械商社(建設業許可保有)でのリスク管理・法令遵守体制構築の経験を活かし、行政書士として建設業許可の手続から関連法令対応のご相談、契約書の作成・審査、経審対策まで対応しています。