建設業許可を取得する際に必ず必要になるのが「営業所技術者」(旧称:専任技術者、通称”専技”)です。営業所技術者は、許可を受ける業種ごとに配置しなければならないため、どの業種で許可を取るかを決める段階で非常に重要な役割を果たします。
特に、営業所技術者の要件を「実務経験」で満たそうとする場合、複数業種の許可を取得するハードルが一気に高くなることをご存じでしょうか?場合によっては、2業種を登録しようと思うと、実務経験だけで要件を満たすには20年の実務要件が必要なケースもあります。
この記事では、なぜ業種選択を慎重に行うべきなのか、どのようなリスクがあるのか、そして失敗しないためのポイントを解説します。
営業所技術者とは?
営業所技術者は、建設業許可を受けるために営業所ごとに配置する必要がある技術者です。要件は以下のいずれかで満たします。
- 国家資格(例:1級・2級施工管理技士、建築士など)
- 実務経験(原則として、許可を受ける業種に関する一定年数の経験)
ここで注意したいのが「実務経験」で要件を満たす場合です。
実務経験要件の落とし穴
実務経験で営業所技術者の要件を満たす場合、業種ごとに必要な経験年数は以下の通りです。
- 一般建設業許可:10年以上の実務経験
- 特定建設業許可:15年以上の実務経験
つまり、例えば「土木一式工事」と「とび・土工工事」の2業種で実務要件のみで許可を取りたい場合、両方の業種でそれぞれ10年以上の経験が必要になります。一人の技能者が両方の業種で10年以上の経験を証明するのは現実的には非常に難しいのです。
なぜ業種選択を間違えると危険なのか?
建設業許可は、29業種に分類されています。最初に選んだ業種が、会社の実態や将来の受注計画に合っていない場合、次のような問題が発生します。
- 追加業種の許可取得が困難になる
→ 実務経験で要件を満たす場合、別業種の経験証明ができず、追加許可が取れない。 - 営業機会を逃す
→ 実際に受注したい工事が、許可業種に含まれていない。 - 許可取り直しの手間とコスト
→ 業種を変更するために再申請が必要になり、時間と費用がかかる。
慎重に選ぶべき業種のポイント
最初に登録する業種を選ぶ際には、以下の観点で検討しましょう。
- 現在の受注実績に合致しているか
- 実務経験証明は、過去の工事実績に基づきます。
- 将来の受注計画に対応できるか
- 例えば、今後「解体工事」を増やす予定なら、最初から解体工事業の許可も検討。
- 資格取得の可能性
- 国家資格を持つ社員がいる場合、その資格で要件を満たせる業種を選ぶ戦略も。
- 複数業種を視野に入れる場合の戦略
- 実務経験で複数業種を取るのは難しいため、資格取得を組み合わせる。その場合は、取得する資格の難易度・要件も考慮する。
よくある失敗例
- 「とりあえず土木一式工事で…」と安易に決める
→ 実際には個別の専門工事が中心で、追加業種が必要になる。 - 将来の事業計画を考えずに選択
→ 許可業種にない工事を受注できず、機会損失。 - 資格者がいるのに実務経験で申請
→ 本来なら資格で要件を満たせるのに、証明書類の準備に時間がかかる。
まとめ:業種選択は専門家に相談するのがベター
営業所技術者の要件を実務経験で満たす場合、業種選択を誤ると後々大きな制約になります。将来的な業容拡大を見据えて複数業種を視野に入れるなら、資格取得や戦略的な選択が不可欠です。
正確に登録すべき業種を判定・決定するには、管轄の行政庁に確認するか、社外の専門家に相談するのが確実です。
特に、建設業許可の実務に精通した行政書士に相談すれば、会社の現状と将来計画に合わせた最適な業種選択ができます。
建設業許可でお悩みなら、まずはご相談ください
当事務所では、建設業許可申請だけでなく、将来の追加業種や経営事項審査、外国人雇用などを含めた総合支援を行っています。
「どの業種で申請すべきか迷っている」「複数業種を取りたいが要件が不安」という方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。当事務所は初回相談無料ですのでお気軽にご相談ください。
【ご注意】当ホームページの内容は、建設業法等に関する一般的な情報を提供するものであり、個別具体的な案件に対する法的判断を示すものではありません。実際の許可要否や手続きについては、管轄行政庁に確認するか、当事務所までお問い合わせください。
【こんな記事も読まれています】
【愛知県】建設業許可申請に強い行政書士の選び方!費用相場と失敗しない3つのポイント
建設業許可の取得は、中小建設業者にとって事業の信頼性を高める重要なステップです。しかし、申請手続きは複雑で、要件を満たさないと不許可になるリスクもあります。そこで頼りになるのが行政書士ですが、「誰に依頼すればいいのか?」 […]
投稿者プロフィール

- (株)MTM / MTM行政書士事務所 代表
- 自動車グループ系総合商社を親会社とする機械商社(建設業許可保有)でのリスク管理・法令遵守体制構築の経験を活かし、行政書士として建設業許可の手続から関連法令対応のご相談、契約書の作成・審査、経審対策まで対応しています。








