建設業界では慢性的な人手不足が続いており、外国人材の活用は企業の存続に関わる重要なテーマです。その中でも「特定技能」は、即戦力となる外国人を採用できる制度として注目されています。本記事では、特定技能で建設業に外国人を採用するための手順、必要書類、注意点を徹底解説します。

特定技能とは?
特定技能は、2019年に導入された在留資格で、一定の技能試験に合格した外国人が日本で就労できる制度です。建設業は特定技能の対象業種の一つで、以下の職種が認められています。
- 土木作業
- 建築作業
- 配管作業
- とび作業
- その他関連職種
ポイント:特定技能は「即戦力」を前提としており、技能実習よりも高度な業務が可能です。
採用までの流れ
1. 受入れ企業の要件確認
- 建設業許可を取得していること
- 社会保険に加入していること
- 適正な労務管理体制があること
建設業分野特有の要件に注意!
建設業分野の特定技能制度は、飲食業や介護分野とは異なり、国土交通省が定める独自の受入れ要件があります。建設業許可を持っているだけでは特定技能外国人を受け入れることはできず、さらに以下の要件を満たす必要があります。
・建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録
特定技能外国人を受け入れる企業は、建設キャリアアップシステム(CCUS)への事業者登録が必要です。また、受け入れる外国人本人についても技能者登録を行わなければなりません。CCUSは建設技能者の資格や就業履歴を管理する仕組みであり、国土交通省は適正な雇用管理を確認するためにCCUSの活用を求めています。
・JAC(一般社団法人建設技能人材機構)への加入
建設分野で特定技能外国人を受け入れる場合は、JAC(一般社団法人建設技能人材機構)への加入も必要です。元請団体や専門工事団体を通じた加入(間接加入)も認められていますが、事前に加入状況を確認しておく必要があります。
JACは外国人材の適正な受入れや失踪防止、相談体制の整備などを目的として運営されています。
・給与は月給制が原則
建設業者が見落としやすいポイントとして、特定技能外国人の報酬体系があります。建設分野では安定的な雇用確保の観点から、月給制による雇用が求められています。日給月給制を採用している企業では、雇用条件の見直しが必要となる場合があります。
申請前に社会保険労務士や行政書士へ確認することをおすすめします。
2. 特定技能外国人の要件確認
- 技能試験に合格していること
- 日本語能力試験(N4以上)に合格していること
3. 支援計画の策定
特定技能外国人を受け入れる企業は、生活支援や相談対応を含む「支援計画」を策定し、登録支援機関に委託することが一般的です。
4. 在留資格認定申請
必要書類を準備し、入管に申請します。申請書類には以下が含まれます。
- 雇用契約書
- 支援計画書
- 技能試験合格証明書
- 日本語試験合格証明書
必要書類一覧
- 在留資格認定証明書交付申請書
- 雇用契約書(労働条件明示)
- 支援計画書
- 技能試験合格証明書
- 日本語能力試験合格証明書
- 会社の登記事項証明書
- 建設業許可証の写し
よくある失敗と回避策
- 支援計画の不備 → 登録支援機関に委託し、専門家のチェックを受ける
- 書類不備による不許可 → 行政書士に依頼して確実に準備
- 労務管理の不徹底 → 社内体制を整え、労基法違反を防ぐ
愛知県の建設業者様からよくいただくお問い合せ
当事務所は愛知県内の建設業者様から外国人雇用に関するご相談をいただいていますが、特に多いのは次のような内容です。
- 技能実習生をそのまま特定技能へ移行できるのか
- 自社はCCUSへの登録が必要なのか
- JACへの加入方法がわからない
- 社会保険加入状況に問題がないか確認したい
- 建設業許可がなくても受入れできるのか
特に中小規模の建設会社では、「採用したい外国人は見つかったが手続きが複雑で進め方がわからない」というケースが少なくありません。制度を正しく理解しないまま進めると、不許可や追加資料提出につながるため注意が必要です。
【参考】名古屋出入国在留管理局の審査期間の傾向
愛知県内の企業が在留資格申請を行う場合、通常は名古屋出入国在留管理局が審査窓口となります。
審査期間は申請内容や時期によって変動しますが、最近は2ヶ月程度かかるようです。ただし、建設分野の特定技能申請では追加資料の提出が求められることもあり、余裕を持ったスケジュールで準備することが重要です。特に春先や年度替わりは申請が集中しやすいため、外国人材の入社予定日から逆算して早めに準備を進めることをおすすめします。
※JACの加入手続き等もあるため、初めて特定技能ビザで外国人を雇用する場合は半年前から準備しておくと安心です。
特定技能採用のメリット
- 即戦力となる外国人材を確保できる
- 技能実習よりも長期雇用が可能(最大5年)
- 人手不足解消による事業継続性の向上
よくある質問(FAQ)
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特定技能1号は何年間働くことができますか?
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特定技能1号の在留期間は、通算で最長5年です。在留期間は1年、6か月または4か月ごとに更新されます。建設分野では、一定の条件を満たした場合に特定技能2号へ移行できる可能性もあります。特定技能2号へ移行できれば在留期間の更新回数に上限がなくなり、長期的な人材確保につながります。
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CCUSの登録にはどのくらい費用がかかりますか?
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CCUS(建設キャリアアップシステム)は、事業者登録と技能者登録の両方が必要になります。費用は会社規模や登録する技能者数によって異なります。また、登録後も更新手続きや情報管理が必要となるため、採用計画を踏まえて早めに準備しておくことが大切です。
なお、特定技能外国人の受入れでは、企業だけでなく外国人本人の技能者登録も求められますので注意しましょう。
CCUSについてはこちらの記事をご参照ください。
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技能実習生を特定技能へ変更することはできますか?
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はい、一定の条件を満たせば可能です。建設分野の技能実習を良好に修了した外国人は、通常、特定技能評価試験を受験しなくても特定技能1号へ移行できる場合があります。
そのため、現在技能実習生を受け入れている建設業者様にとっては、人材を継続して雇用できる有効な選択肢となります。ただし、在留資格変更申請や雇用契約の見直しが必要になるため、事前準備が重要です。
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登録支援機関は必ず利用しなければなりませんか?
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利用が必須というわけではありません。受入れ企業自身が支援体制を整備し、法令で定められた支援業務を適切に実施できる場合は、自社で支援を行うことも可能です。ただし、
- 事前ガイダンス
- 生活オリエンテーション
- 定期面談
- 行政機関への同行支援
- 相談対応
など、多くの支援業務が求められます。そのため、建設業者様のほとんどは登録支援機関へ委託しています。
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特定技能外国人の給与は日本人と同じでなければなりませんか?
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はい。特定技能制度では、日本人が同じ業務に従事した場合と同等以上の報酬を支払う必要があります(同じ会社に同等の日本人がいない場合は、統計データを参考にして設定)。「外国人だから安く雇う」という考え方は認められていません。
また建設分野では、月給制による雇用が求められるため、従来の日給月給制を採用している会社は注意が必要です。給与設定に問題がある場合は、在留資格申請の際に指摘される可能性があります。
まとめ
特定技能で外国人を採用するには、企業側の体制整備と正確な申請手続きが不可欠です。専門家のサポートを受けながら、スムーズな採用を実現しましょう。当事務所は初回相談無料ですのでお気軽にご相談ください。
【続きはこちらで】
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投稿者プロフィール

- (株)MTM / MTM行政書士事務所 代表
- 自動車グループ系総合商社を親会社とする機械商社(建設業許可保有)でのリスク管理・法令遵守体制構築の経験を活かし、行政書士として建設業許可の手続から関連法令対応のご相談、契約書の作成・審査、経審対策まで対応しています。










