まずはタイル・れんが・ブロック工事、造園工事、舗装工事などの違いを解説します

住宅の外回りを整備する「外構・エクステリア工事」。

駐車場やアプローチ、門扉、フェンス、カーポート、庭園などを施工する工事ですが、実は建設業許可には「外構工事業」という業種はありません。そのため、

  • 自社の工事はどの業種に該当するのか?
  • タイル・れんが・ブロック工事と造園工事はどう違うのか?
  • 建設業許可は必要なのか?

と悩まれる事業者の方も少なくありません。特に外構・エクステリア工事は複数の工種が組み合わされることが多く、業種判断が難しい分野です。この記事では、外構・エクステリア工事で関係する主な建設業許可の業種と判断のポイント、さらに建設業許可を取得するメリットについて建設業許可専門の行政書士が解説します。

外構・エクステリア工事に関係する主な業種

外構・エクステリア工事で関係することが多い業種は次のとおりです。

  • とび・土工・コンクリート工事業
  • タイル・れんが・ブロック工事業
  • 石工事業
  • 造園工事業
  • 舗装工事業
  • 管工事業

実際には、どの業種に該当するかは「工事名」ではなく「工事の内容」によって判断されます。そのため、「外構工事一式」と記載されていても、その施工内容によって必要となる許可業種が異なります。

とび・土工・コンクリート工事業

主な工事
  • 掘削工事
  • 整地工事
  • 盛土工事
  • 擁壁工事
  • コンクリート打設工事
  • 土留め工事

外構工事業者が取得している許可として非常に多いのが、とび・土工・コンクリート工事業です。例えば、

  • 駐車場をつくるための掘削工事
  • 土地の整地
  • コンクリート土間打設
  • 擁壁設置工事

などが該当します。外構工事ではブロック塀や植栽工事よりも先に土工事や基礎工事が必要になることが多いため、事業内容によっては最も中心となる業種になる場合があります。

タイル・れんが・ブロック工事業

主な工事
  • コンクリートブロック塀の設置
  • 化粧ブロック積み
  • レンガ積み
  • インターロッキングブロック施工
  • タイル張り工事

外構・エクステリア工事で最もイメージしやすい業種の一つです。例えば、

  • ブロック塀の設置
  • 花壇のレンガ積み
  • タイル張りの門柱
  • アプローチのインターロッキング施工

などが該当します。住宅外構を主力とする事業者では、この業種が中心になるケースも少なくありません。

石工事業

主な工事
  • 石積み工事
  • 石貼り工事
  • 景石据付工事
  • 石材による外構工事

石工事業は石材の加工や据付を行う工事です。例えば、

  • 御影石のアプローチ
  • 自然石を用いた園路
  • 石積みの外構設備

などが代表例です。ただし、コンクリートブロックやレンガが主体となる場合は石工事業ではなく、タイル・れんが・ブロック工事業に該当します。最近の住宅外構では石工事が主力となる現場はそれほど多くありませんが、高級住宅や和風庭園では見られることがあります。

造園工事業

主な工事
  • 植栽工事
  • 芝張り工事
  • 樹木の移植
  • 庭園造成工事
  • 緑地整備工事

植物や緑地を整備することを目的とした工事が造園工事です。例えば、

  • 庭木の植栽
  • 芝生施工
  • マンションの植栽整備
  • 日本庭園の造成

などが該当します。注意したいのは、「庭に関する工事=造園工事」ではないということです。例えば庭のブロック塀施工が主目的であれば、タイル・れんが・ブロック工事業に該当する可能性があります。植栽や緑化が工事の主目的かどうかが判断のポイントになります。

舗装工事業

主な工事
  • アスファルト舗装
  • コンクリート舗装
  • 駐車場舗装
  • 通路舗装

舗装工事業は道路や駐車場などの舗装を目的とする工事です。例えば、

  • 戸建住宅の駐車場コンクリート舗装
  • 店舗駐車場のアスファルト舗装
  • マンション敷地内の舗装工事

などが該当します。外構工事の中でも駐車場施工を多く手掛ける事業者では、舗装工事業が中心となる場合があります。

管工事業

主な工事
  • 給水設備工事
  • 排水設備工事
  • 給湯設備工事
  • 散水設備工事
  • 屋外配管工事

管工事業とは、給排水・給湯・空調などの設備を設置する工事です。外構・エクステリア工事では、

  • 立水栓の設置
  • 散水用蛇口の設置
  • 庭の給排水設備工事
  • 雨水排水設備工事

などが代表的です。

Info

「水道に関する工事だから水道施設工事業ではないのか」と思われることがありますが、一般住宅や民間施設の給排水設備工事は通常、管工事業に分類されます。一方、水道施設工事業は浄水場や配水池、上水道施設、下水道施設など公共性の高い施設を築造する工事を対象としており、一般的な外構工事とは性格が異なります。
そのため、外構工事に付随する給排水設備工事の多くは管工事業に該当すると考えると分かりやすいでしょう。

業種判断のポイント

外構・エクステリア工事では、複数の工種が組み合わされることが珍しくありません。例えば、

  • ブロック塀を作る
  • 駐車場を舗装する
  • 植栽を行う
  • 立水栓を設置する

という工事を一括で受注するケースもあります。このような場合は、

  • 工事の完成目的は何か
  • どの工種が中心となるか
  • 工事金額の大部分を占める工種は何か

という観点から業種を判断します。例えば、植栽が中心でブロック工事が付随的であれば造園工事業、ブロック塀の施工が主目的であればタイル・れんが・ブロック工事業、駐車場造成が中心であれば舗装工事業やとび・土工・コンクリート工事業という考え方になります。

実際には契約書、見積書、施工内容などを総合的に見て判断することが重要です。

500万円未満の工事がほとんどでも建設業許可は必要?

外構・エクステリア工事では、一般住宅向け工事が中心であれば税込500万円未満のケースも多くあります。そのため、

「自社は建設業許可がなくても問題ない」

と考える事業者様もいらっしゃると思います。しかし、建設業許可を取得するメリットは少なくありません。

元請会社からの信頼向上

近年はコンプライアンス意識の高まりにより、

  • ハウスメーカー
  • 工務店
  • ゼネコン
  • 不動産デベロッパー

などが協力会社に建設業許可の取得を求めるケースが増えています。建設業許可があることで、経営面や技術面の要件を満たした事業者として評価されやすくなります。


大きな工事を受注できる

現在は小規模工事が中心でも、

  • 分譲住宅の一括外構工事
  • マンションの外構整備
  • 商業施設の外構工事
  • 公共施設の外構整備

などでは500万円を超える工事が発生することがあります。建設業許可がなければ、そのような案件を受注することができません。特に公共工事に参入できるようになる点は特筆すべきポイントです。

将来的な事業拡大や収益分野の多様化を考える場合には、大きなメリットといえるでしょう。


会社の信用力向上につながる

建設業許可を取得すると、

  • 決算報告書類(事業年度終了届・決算変更届)の提出
  • 技術者の配置
  • 各種法令の遵守

など継続的な管理が求められます。そのため、金融機関や取引先から見ても、管理体制が整備され、事業継続の意思の強い会社として評価されることがあります。

まとめ

外構・エクステリア工事には「外構工事業」という建設業許可は存在しません。主に関係する可能性のある業種は次のとおりです。

  • 掘削・整地・擁壁・土間コンクリート → とび・土工・コンクリート工事業
  • ブロック塀・レンガ積み・タイル施工 → タイル・れんが・ブロック工事業
  • 石貼り・石積み → 石工事業
  • 植栽・芝張り・庭園造成 → 造園工事業
  • 駐車場舗装 → 舗装工事業
  • 給排水設備・立水栓・散水設備 → 管工事業

実際の業種判断は、工事名称ではなく「工事の施工内容」と「完成目的」によって決まります。また、外構工事では500万円未満の工事が多いものの、建設業許可の取得は受注機会の拡大や取引先からの信頼向上につながります。

自社が行っている工事がどの業種に該当するのか迷う場合は、過去の工事実績や見積書を確認しながら専門家へ確認することをおすすめします。当事務所では建設業許可を取得するかどうかのご相談から無料で対応(愛知県内の事業者様限定)しておりますのでお気軽にご連絡ください。

投稿者プロフィール

古井 竜文(たつのり)
古井 竜文(たつのり)(株)MTM / MTM行政書士事務所 代表
自動車グループ系総合商社を親会社とする機械商社(建設業許可保有)でのリスク管理・法令遵守体制構築の経験を活かし、行政書士として建設業許可の手続から関連法令対応のご相談、契約書の作成・審査、経審対策まで対応しています。