はじめに

屋根や屋上での作業を伴う工事は、建物の安全性や耐久性に直結する重要な工事です。こうした工事を請け負う際には、建設業法に基づく「建設業許可」が必要となるケースがあります。

この記事では、屋根や屋上での作業に関係する工事のうち、どのような場合に建設業許可が必要になるのか、また、どの業種の許可を取得すべきかについて、わかりやすく解説します。


屋根・屋上作業に該当する主な工事内容

屋根や屋上で行われる工事には、以下のようなものがあります。

  • 瓦やスレート、金属板などによる屋根の葺き替え
  • 屋根の新設・改修
  • 屋根一体型太陽光パネルの設置
  • 屋上の防水工事(シート防水・塗膜防水など)
  • 屋根断熱工事
  • 屋根塗装工事
  • 屋根換気設備や天窓の設置

これらの工事は、建設業法上の「専門工事」に分類され、それぞれに対応する業種の建設業許可が必要となる場合があります。


建設業許可が必要となる金額の基準

建設業許可が必要となるのは、以下のような場合です。

  • 1件の請負金額(税込)が500万円以上の専門工事
  • 材料費込みで500万円を超える場合(材料支給でも市場価格を加算)

たとえば、屋根の全面葺き替えや太陽光パネルの設置を含む工事などは、500万円を超えることが多く、許可が必要になります。


該当する建設業許可の種類

屋根や屋上での作業に関係する工事は、主に以下の業種に該当します。

屋根工事業

  • 瓦、スレート、金属薄板などを用いて屋根を葺く工事
  • 屋根の新設、葺き替え、改修
  • 屋根一体型太陽光パネルの設置

防水工事業

  • 屋上のシート防水、塗膜防水、アスファルト防水など
  • 防水層の形成が主目的の場合に該当

板金工事業

  • 屋根や外壁の一部に金属板を加工・取り付ける工事
  • 谷板金や雨樋の交換など

塗装工事業

  • 屋根の塗装、防錆処理、遮熱塗装など

工事の主目的によって、必要な許可業種が異なるため、正確な判断が重要です。

他業種との違いのポイントと注意点

屋根工事業 vs 板金工事業

  • 屋根全体を葺く・葺き替える → 屋根工事業
  • 一部の板金加工(谷板金など) → 板金工事業

屋根工事業 vs 防水工事業

  • 屋根材の施工に付随する防水 → 屋根工事業
  • 防水層の形成が主目的 → 防水工事業

屋根工事業 vs 建築一式工事業

  • 屋根のみの工事 → 屋根工事業
  • 建物全体の改修・新築 → 建築一式工事業

このように、工事の内容や目的によって、必要な許可業種が異なるため、申請前にしっかりと確認することが重要です。


許可取得のための主な要件

建設業許可を取得するには、以下の要件を満たす必要があります。

① 常勤役員等(旧称:経営業務の管理責任者/経管)

建設業の経営経験が5年以上ある者が必要です。個人事業主としての経験や、建設業許可業者の役員経験などが該当します。

② 営業所技術者(旧称:専任技術者)

屋根工事業に関する資格(建築施工管理技士、建築士、技能士など)を持つ者、または指定学科卒業+実務経験、10年以上の実務経験などが必要です。

③ 誠実性

過去に不正行為がなく、暴力団との関係がないこと。

④ 財産的基礎

自己資本が500万円以上、または500万円以上の資金調達能力(≒現預金)があること。

⑤ 欠格要件に該当しないこと

過去に法令違反や許可取消処分を受けていないこと。


許可取得のメリット

  • 500万円以上の工事を合法的に請け負える
  • 元請業者や顧客からの信頼性向上
  • 公共工事の入札参加が可能
  • 金融機関からの融資が受けやすくなる
  • 従業員の採用や定着にも好影響

特に、屋根工事は安全性や耐久性に直結するため、許可の有無が発注者の判断材料になることも少なくありません。

無許可営業のリスク

建設業許可が必要な工事を無許可で請け負った場合、以下のようなリスクがあります。

  • 建設業法違反による罰則(3年以下の懲役または300万円以下の罰金)
  • 法人の場合は両罰規定により会社も罰金対象
  • 行政処分による営業停止
  • 元請や発注者からの取引停止
  • 社会的信用の失墜

事業の継続と信頼性を守るためにも、適切な許可の取得は不可欠です。


まとめ

屋根や屋上での作業を伴う工事は、建設業法上の「屋根工事業」や「防水工事業」などに該当し、500万円以上の工事を請け負うには建設業許可が必要です。

工事の内容や目的に応じて、適切な業種の許可を取得することで、法令遵守はもちろん、顧客からの信頼や事業の拡大にもつながります。

該当する許可業種の選定を誤ると建設業法違反になる可能性があるため、業種の選択には慎重な判断が必要です。この判断は難しいので迷う場合は、当事務所へご連絡ください。初回は無料ですのでお気軽にご相談ください。